![]() 香箱ガニと魯山人大雪。冬至。閉塞成冬。天地の気が塞がって、本格的に雪の季節となり、蟹や鰤などの冬の魚が登場し、南天の実が真っ赤に色づき、年の瀬が近いことを感じさせてくれます。そして熊は、長い冬眠に入ります……。 「冬の味覚の王様」と言えば、蟹でございます。 なかでもズワイガニは大変な人気で、冬になると大勢の人が、日本海に面した山陰・北陸地方を訪れます。 英語では「Queen crab(女王のカニ)」、「Snow crab(雪のカニ)」と呼ばれ、すらっとした長い脚が特徴のオスに対して、「セコガニ」と呼ばれるメスは、オスの半分程度の大きさしかありません。 香箱ガニとも呼ばれ、メスならではの卵(内子と外子)が絶品でございます。 食べられる期間も、ズワイガニより短く、まさに旬の逸品です。 今月は山形の素材ではございませんが、日本を代表する素材、香箱ガニを本場とは少し趣向を変えて、ガリを混ぜた温かい蒸し寿司にしてお出し致します。 器も蟹にあわせて、この香箱ガニが大好きだった稀代の美食家であり芸術家である、北大路魯山人写し織部蟹絵皿でございます。 「食器は料理の着物である」 魯山人の名言を感じる一品でございます。 |
![]() |