天童荘

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旬の逸品

春の訪れ

啓蟄。春分。ひな祭り。
季節は「初春」。雑節では「上巳(じょうし)の節句」です。
無病息災のお祓い(はらい)と“ひいな遊び”とが結びついて、“上巳(じょうみ)の節句”として定着したのが、現在の『ひな祭り』の起源と言われております。
ひな祭りの歴史は古く、平安時代の中頃(約1000年前)から始まりました。 この頃のひな祭りは旧暦の33日に行なわれていましたので、現在の4月上旬頃にあたります。
桃は満開、よもぎも芽を伸ばし、蛤(はまぐり)もおいしくなる季節です。 そして江戸時代の中頃には、女の子の誕生を祝う“初節句”が盛大に行われるようになり、ひな祭りは、日本独特の優美な行事として現代に受け継がれてきました。
ひな祭りの料理といえば、ちらし寿司と蛤のお吸い物でございます。
蛤は女の子の美徳と貞節を意味するもので、ちらし寿司の具である、れんこん(見通しがきく)やエビ(長生き)も縁起がいいものとされ、お祝い事には良く使われます。
今月は春を告げるひな祭りをテーマに、大ぶりな貝合わせの器にはちらし寿司、菱餅を見立てた平皿には滋味深い春の苦みを味わう春貝山菜浸し、本物の帆立貝を器にした帆立小鍋仕立てで華やかな宴が始まります。
一年に一度、のびやかに育つわが娘の成長を確認しつつ、楽しく過ごすひな祭り。 平安の昔に始まり、長い歴史に培われ、今日に至るこの美しい伝統行事を、いつまでも大切にしたいものでございます。
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