秋の風物詩寒露。霜降。芋煮会。朝晩の冷え込みがはっきりと感じられる頃であっという間に訪れる夕暮れに、季節の移り変わりの早さを実感します。 霜降を過ぎると冬はもうすぐそこ。 東北では霜が降りて紅葉が山を彩る頃です。 秋の季節が訪れると、山形では各地域で芋煮会が開催されます。 河川敷などで大鍋を囲んでの芋煮会は、まさに秋の風物詩ともいえる光景です。 河川敷の石を積んで窯を作り薪を入れて大鍋をかけ、収穫したての里芋、牛肉、こんにゃく、ねぎ、秋のきのこなどを煮る、自然のなかで楽しむ野趣に富んだ料理でございます。 今月はこの芋煮をお懐石の一品として仕立てました。 贅沢に出汁をとり、里芋は山形の伝承野菜貴重な「甚五右ヱ門芋」を使い、山形の秋の山菜、様々なきのこをたっぷりと入れました。 当地天童のある村山地方では牛肉を使い醤油味、海側庄内地方では豚肉を使い味噌味が一般的ですが、今回はお懐石の一部ですのであっさりと食べていただけるように、あえて天童のブランド豚「天姫豚」を使用致しました。 そして本来は、自然のなかでいただく野趣に富んだ料理でございますので、味だけでなく、少しでも芋煮会の雰囲気を皆様に味わっていただけるように、桜の枝を削ったお箸をこのお料理の為だけにご用意致しました。 山形秋の風物詩、ここだけでしか味わえない旬の味を芋煮会の雰囲気とともにお楽しみくださいませ。 |