桜づくし清明。穀雨。桜。「花冷え」「花曇り」といった、この時期ならではの美しい季語がございます。他にも「花便り」「初花」「若桜」「朝桜」「夕桜」「夜桜」「花影」「花の雲」「落花」「花吹雪」「花衣」などなど。 「花」は「桜」を指しており、古来、桜は花の代名詞でした。 栄華、美しさ、明るさ、儚さ、愁い、非日常といった意味合いも含まれています。 桜は開花から散るまでの期間がわずか2週間ほど。 そのため、咲きはじめの頃や散り際はもちろん、今がまさに満開という時も、美しさのなかに儚さを秘めています。 古今和歌集「世の中に たえて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし」在原業平 明るい陽射しや咲く花の華やかさのなかに、人々はそこはかとない寂しさを感じとってきたのではないでしょうか。 桜は古来より日本人の美意識、感性の象徴。 心を美で満たすだけではなく、もの思いに誘う花でもあるのです。 今月の旬の逸品ももちろんさくら。 日本料理のメインディッシュである煮物椀「桜川のお椀」でございます。 大根で見立てた水輪(川)のに上に鴨と地鶏を鋳込んだ桜色の白玉餅、そして繊細な桜の花びらを散らして、「桜川」を見立てました。 桜が持つ美しい情緒溢れる逸品でございます。 そして、当館にはプライベートにお部屋で桜、花見風呂を独占できる、この時期大人気の露天風呂客室(2022年リニューアル)がございます。 館内の設え、お料理、お部屋では桜を愛でながらの温泉露天風呂…… ご滞在中は、天童荘の桜づくしを満喫してお楽しみくださいませ。 |